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第5回 アオキグループの経営理念(4)我々が共有する価値観 「信用」

代表取締役 青木 正紀

アオキグループの社員が共通して持ち続けてほしい価値観(バリュー)の第1番目は、「信用」です。

・信用 すべての関係者に感謝し、信頼される仕事をする。

創業者の青木治郎吉は、こう言っていました。
「我々が一番大切にしなければならないのは信用であり、信用こそ、商売をやる上で不可欠なものだ」。
その「信用」をどうやって得るのかというと、これは一朝一夕に得られるものではありません。毎日毎日コツコツと、お客様のためを思ってきちっと仕事をやる以外に方法はないのです。

当社が信用を築いた一つの例を挙げれば、モノがなく、社会が大混乱に陥っていた終戦後に板ガラスが配給制になった時のことです。
ガラスを確保するために、3代目である私の父親は、コメを背負って全国を駆け回っていました。夜行列車で九州まで出かけたこともあったそうです。(ちなみに、コメは当時“最高の土産”と言われました)。
そうして出かけた先で闇米取り締まりの検問にあったそうです。また、輸送用のトラックは軍需工場の払い下げを受けるなど、苦労に苦労を重ねてガラスを確保したといいます。

当時、2代目は茨城県の板硝子配給統制組合の理事長で、配給する権限を握っていました。アオキは県内で最大のガラス問屋でしたから、考えようによっては、県内の板ガラスの需要を一手に取り込むこともできたわけです。でも、そういうことはしませんでした。

配給切符を握りしめて青木硝子店(当時の社名)にやってきた業者さんに、分け隔てなくガラスを配給したのです。青木硝子店には、わずかの手間代が残るくらいの薄利の商いだったそうです。

理事長としての責任感が後押ししたのでしょうが、自分の利益を優先するのではなく、「信用第一」という初代の教えを守って、地域や業界の利益のために動いたのだと思います。

2代目は、統制組合の理事長だけでなく、色々な公職を依頼され、そのたびに一生懸命力を尽くしたということを聞いています。
「世のため、人のため」という言葉がありますが、2代目はそれを行動で示して、周囲からの信用を一つ一つつくり上げたのでしょう。
「信頼される仕事をする」を自らの行動の積み重ねで、信用を築き上げたのではないかと思います。

ただ、私が若いころは、そこのところがよく分かっていませんでした。
30代の時は、アオキの人材も育ってなくて、私が率先して動いて数字を上げてきたので、“テング”になっていました。今から思うと、恥ずかしい限りですが、、、

しかし、年を重ねると、ふと気づくんです。自分一人では何もできないということを。結局、何か起きるたびに周囲の人が助けてくれたのです。
営業が数字を上げたと言っても、商品を手配する人、現場まで商品を運ぶ人、商品を組み立てる人、取り付ける人、そういう人たちがいるからこそ、営業マンの売上になる。それに気づいた時、初めて感謝するという気持ちが芽生えたのです。

アオキでは、毎年2回の方針発表会の時に業績優秀者を表彰していますが、優秀セールスマンは皆、壇上で「私が表彰されたのは、業務の人や現場の人たちのサポートのおかげです」と言っています。それも口先ではなく、本音で話しているのです。

それを聞くたびに、「すべての関係者に感謝する」ということが浸透してきているのではないかと思っています。本当にありがたいことです。

アオキは、これからも、「すべての関係者に感謝し、信頼される仕事をする」集団でありたいと思います。